避難・移住・帰還の権利ネットワーク

2012年6月に国会で成立した「原発被災者支援法」に基づき、被災者・避難者の権利を実現するためのネットワークです。

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12/18環境省「専門家会議」が突然に結論/環境省の弱点がよく見えます

【12/18環境省「専門家会議」が突然に結論】
 12月18日、環境省の「住民の健康管理の在り方に関する専門家会議」が突然に開催され、突然に結論を決めて終了しました。公示は12月15日、わずか3日前。しかも今回は傍聴を拒否し、報道機関のみの入場許可、という異様な状況下の抜き打ち開催でした。環境省はよほど焦っていたのでしょう。

 さて、会議は「中間とりまとめ」という名の結論を決定したようです。「中間・・・・」といっても最終結論です。
→  http://www.env.go.jp/chemi/rhm/conf/conf01-14.html

★内容の特徴は、以下の通り、特に重要なのは④~⑦です。

① 甲状腺がんを含めて福島県内の健康被害を否定。“放射線被ばく量はチェルノブイリよりずっと低く、健康被害が出るはずがない“、という主張で全ての問題を押し切ろうとしている。(このことを主張するために、被ばく線量の推定にやたら多くのページ数をかける。)

② 甲状腺がん多発の事実自体は否定できないが、異常事態であることを否定するためにいろいろな理屈を持ち出した。大人の甲状腺がんの罹患率の一般論を持ち出したり、超音波検診で多くのがんが見つかると言ったり。(以下、引用)

 「日本においても、人間ドック等における超音波検査の実施が増加するにつれ、甲状腺の異常所見(のう胞、結節及びがんを含む)が発見される頻度は増加している。」

 「甲状腺がんの発見率は女性で0.72%、男性で 0.25%であったとしている。」

 「甲状腺は成人においてラテントがん(病理解剖時に初めて発見されるがん*)が高頻度に見られる臓器としても知られ、日本では1~3 割と報告されている。ただし、甲状腺のラテントがんはそのほとんどが 2~3mm 以下、多くは 1mm 以下である。」
 (*注釈:遺体の解剖時に見つかるがん、という意味)

 「成人に対する検診として甲状腺超音波検査を行うと、罹患率の10~50倍程度の甲状腺がんが発見されること」*
(*注釈:超音波検査で、自覚症状のない甲状腺がんが「10~50倍」見つかる、と言っている。)

 これらはすべて大人の話。子どもには適応できないことは、環境省も認めます。

③そこでなお子どもの甲状腺がんの多発が気になるため、チェルノブイリとの比較を持ち出した。

 「今回の原発事故後の住民における甲状腺の被ばく線量は、チェルノブイリ事故後の線量よりも低いと評価されていること」

 「チェルノブイリ事故で甲状腺がんの増加が報告されたのは事故から 4~5年後のことであり、「先行検査」で甲状腺がんが認められた時期(原発事故後約3 年)とは異なること」

 「チェルノブイリ事故で甲状腺がんの増加が報告されたのは主に事故時に乳幼児であった子どもであり、「先行検査」で甲状腺がん又は疑いとされている者に、乳幼児(事故当時5 歳以下)はいないこと」

 もうこの辺になると、自信がないから思いつく理由を全部並べて自己弁護するだだっ子のように見えますね。

④ 一方で、11/11に公表された甲状腺がん手術57事例のうち、転移、浸潤を起こしている甲状腺がんが多数との事実の評価がない。書けないのです。

⑤ 重要な点は、国は甲状腺がんの多発の事実をこれ以上明らかにさせたくないので、福島県の甲状腺検査を縮小するよう勧告したいが、しかし今すぐ止めろとは言えず、矛盾する文章が書き込まれたことです。

 「甲状腺がん検診」(ここでは、自覚症状のない集団に対する甲状腺超音波検査を指す)を対策型検診として実施することについては、一般論として以下の点を慎重に考える必要がある。」

 一方で、「専門家会議は、県民健康調査『甲状腺検査』が実施されてきたことは適切な対応であり、今後も継続していくべきものであると評価する」とか、「『先行検査』及び1回目の『本格検査』の総合的かつ精緻な検証とそれを踏まえた関係者間での対話を行い、県民のコンセンサスを得る過程が重要である。」

⑥ 福島県以外では健康診断は不要、と言いきりました。

⑦ 健康被害はないはず、健康異常があっても放射能の影響ではないので、医療費の補償には一言の言及もない。

【環境省の弱点がよく見えます】
 環境省はこの「中間とりまとめ」を結論として施策を決定します。しかしこんな経過の専門家会議に権威はなく、幾つもの弱点がさらけ出されました。

①なぜ今? 国は、原発再稼働のためには「放射能の被害はない」と言わないと前に進めない状態。そこで、総選挙で『与党大勝』の幻想がある今がチャンス、と思ったのでしょう。

 この時期に、【国】環境省が福島県という隠れ蓑を脱いで、放射能の健康被害を抑えつける前面に出てきました。これも彼らの焦りと読めます。

② 最大の弱点は、甲状腺がんの異常多発の現実が「中間とりまとめ」をすでに超えて広がっていることです。「中間とりまとめ」は甲状腺がんの手術57事例について、何も触れられませんでした。理屈では否定できず無視するしかなかった。しかし現実はどんどん広がって無視できなくなる。(この点は11月19日のページに詳しく書きました。)

③ 福島県内の甲状腺検査を止めることはできませんでした。理由の1つは、福島県/福島県立医大が抵抗したこと。これは決して彼らが県民の健康を大事に思って検査の縮小に抵抗したのではありません。IAEAと協定をむすんだ県立医大の甲状腺データ独占と権益(資金)の維持のためです。環境省と福島県の間にもこのように、一部に利害矛盾はあります。

④ より大きな力は、県民の要求でしょう。放射能健診を求める声ははっきりある。甲状腺検査をすぐに止める力は国にもない。福島市内、郡山市内で放射能健診署名を取り組むと、市民の共感と要求を実感できます。そして井戸川さんが知事選挙で集めた3万票は、その事を数字で表現しました。

⑤ 他にも千葉県9市長が連名で要求書を環境省に提出し、放射能健診の実施を迫っています。
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  1. 2014/12/21(日) 23:22:28|
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