避難・移住・帰還の権利ネットワーク

2012年6月に国会で成立した「原発被災者支援法」に基づき、被災者・避難者の権利を実現するためのネットワークです。

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原発被災者支援法の「基本方針案」が公表されました/国の弱点が見える

【原発被災者支援法の「基本方針案」が公表されました】
→ http://www.reconstruction.go.jp/topics/m13/08/20130830_kihonhousin.pdf

 主な内容は、避難の権利を認めない「支援パッケージ」の焼き直しです。しかし「支援パッケージ」を出して半年しか経っていないのに、突然に基本方針案を出してきた事には、何か理由がありそう。「基本方針案」を斜め読みして目についた内容は、

・除染を進める。

・福島県に加え、近隣県でも外部被ばく線量を把握

・公営賃貸住宅への入居の円滑化。

・岩手、宮城、長野、新潟など11県で学校給食の放射能検査を充実。

・福島に帰還して就職することを希望する避難者の相談窓口と、避難者が多い地域のおける就労支援の強化を検討。

・高速道路の無料措置。

・福島「県民健康管理調査」を継続。

被ばく量の観点から、事故による放射線の健康への影響が見込まれ、支援が必要と考えられる範囲(子ども・妊婦の対象範囲や負傷・疾病の対象範囲)を検討。

など。「高速道路の無料措置」や「県民健康管理調査を継続」など支援パッケージの内容のまま。

 一方で以下のように、新たに出てきた部分もあります。

【「支援対象地域」などの指定について】今回、「支援対象地域」の指定の基準を、放射線量によるのでなく、

★支援対象地域「20ミリSvに達するおそれのある地域と連続しながら、20ミリSvを下回るが相当な線量が広がっていた地域」として、「福島県中通り及び浜通りの市町村」。

 という解釈自由な言葉でごまかしました。その結果、国が自分の都合で指定できるので、指定されたのは福島県内の、それも一部地域のみ(会津地域は外れるらしい)。この地域(福島県内)では、すでに「県民健康管理調査」と「18歳以下の子どもの医療費無料化」が実施されているので、国は医療/健康診断の新たな施策をとらない。これで国の放射能政策は守られることになります。

★支援対象地域に準じる地域:「法第1条は『一定の基準以上の放射線量が測定される地域に住居し、又は住居していた者(中略)並びにこれらに準ずる者』を『被災者』と定義し、・・・・・・・・・このため上記の『支援対象地域』に加え、法第13条に基づく施策を含め、・・・・・・施策ごとに、『支援対象地域』より広範な地域を支援対象地域に準じる地域として定める・・・。」

「支援対象地域」の指定がこんな方法だから当然強い批判が予想される。そこで県の内外に「支援対象地域に準じる地域」を作って、例えば「個人の外部被ばく量を測定する」と言います。これが一体何の足しになるのか?

 でもここに国の矛盾と弱点が現れています。これは後で書きます。
図は「福島民友」より。

【避難の権利の否定は、相変わらず】

 健康問題以外にも、「公営賃貸住宅への入居の円滑化」とか「避難者が多い地域の就労支援拡充」とかが挙がっているようですが、公営住宅の入居の円滑化とは『福島県に帰ってきたら、公営住宅はいっぱいあるぞ』と言うこと。支援パッケージで福島市に公営住宅をいっぱい作る計画です。
一方で、避難者のための県外住宅の新規受付は、私たちも大阪市役所と最後の日まで交渉した大きな要求ですが、昨年末に打ち切られたまま復活せず。

 就労支援も、支援パッケージの「避難者が多い山形、東京、新潟、埼玉、大阪に、帰還希望者が福島県に帰る時の就職相談窓口を置く」とどう違うと言うのか?
 ただし新たに「避難者が多い地域のおける就労支援の強化を検討」という文言があって、これは避難先での就労支援という意味なのか?よく見ていきましょう。

 根本問題は、「20ミリSv以下は安全」という政策を変更しないために、被災者支援法・被災者の要求に対応しない、できない、そして避難の権利を認めない、という矛盾です。

【国の弱点が見える】
 でも、国が追い込まれている姿が具体的に見えてきました。特に基本方針案の「(13)放射腺による健康への影響調査、医療の提供等」(9p.)には、

・「被ばく量の観点から、事故による放射線の健康への影響が見込まれ、支援が必要と考えられる範囲(子ども・妊婦の対象範囲や負傷・疾病の対象範囲)を検討する」

・「甲状腺の精密検査・診断、ヨード内服療法等、質の高い甲状腺医療が受診可能となる、診断・医療技術の支援」

 との文言があります。

 先の「近隣県の外部被ばく線量を把握」と言いだした事とあわせて、福島の甲状腺がん多発事態とその反響を、政府も無視できないと感じ始めたのだと思います。

 もちろん彼らの方向は「20ミリSv以下は被害は出ない。20ミリSv以下なら放射能とは関係ない」と言い張る事でしょう。しかし健康被害の現実と要求は、ごまかし、止められるものではありません。

【政府は世論を見ている】
 今、政府が突然に基本方針案を発表したのは、甲状腺がんの多発に加えて、全国で健康診断の要求や損害賠償請求裁判、支援法の放置は違法とする裁判が立て続けに起きていることに押されたからでしょう。

 この程度の内容で収まるはずがありません。 今は、押せば前に進んで行ける情勢です。

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  1. 2013/08/30(金) 23:07:22|
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【原発・子ども被災者支援法の基本方針をつくる?という報道がありました。】

「原発・子ども被災者支援法の基本方針をつくる」という報道がありました。

NHK 被災者支援法 基本方針案まとまる 8月29日 4時41分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130829/k10014120291000.html

日経 子ども・被災者支援法、対象を行政単位に 政府見直し 2013/8/29 2:00
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2804W_Y3A820C1PP8000/

 
 内容の発表はありませんから、具体的な評価はできませんが、根本的には「甲状腺がんの多発事態」と各地の損害賠償裁判に直面した政府が、動かざるを得ないと判断したのだと思います。
 
 同時に、これで世論の反応を見る、典型的な『リーク報道』です。まあ、政府がそれだけ世論を気にしていることがわかります。

 被災地での「インフラ整備」などと言って、公共工事にの予算を増やすようなニュアンスの報道でもあり、移送関心を持って見ていきましょう。


【NHKの報道】

 復興庁は、原発事故の被災者支援を定めた「子ども・被災者生活支援法」に基づいて策定する基本方針について、福島県内の33市町村を「支援対象地域」に指定し、医療施設の整備や子どもの就学の援助を行うなどとした案をまとめました。

 それによりますと、原発事故で相当の放射線量が計測された福島県内の33市町村を「支援対象地域」に指定し、医療施設の整備や医師の確保、それに子どもの就学の援助など、総合的な支援を行うとしています。

 また、「支援対象地域」以外でも、「準支援対象地域」を設け、各地域の実情に応じた支援を行うとしており、政府は、秋の臨時国会までに基本方針を閣議決定する方針です。

 基本方針を巡っては、福島県から避難した住民などが今月、「『子ども・被災者生活支援法』が成立して1年以上たっても示されないのは違法だ」などとして、国に速やかな対応を求める訴えを起こしています。また復興庁は、来年度・平成26年度予算案の概算要求で、基本方針案に盛り込んだ支援策に必要な費用をはじめ、道路や水道などのインフラ整備を含め、被災地のまちづくりを本格的に進める費用など、総額で2兆7000億円を要求する方針を固めました。


【日経の報道】
子ども・被災者支援法、対象を行政単位に 政府見直し 2013/8/29 2:00 情報元 日本経済新聞 電子版
 復興庁は28日、東京電力福島第1原子力発電所事故の被災者を支援する「子ども・被災者支援法」の基本方針の素案をまとめた。支援の対象地域を放射線量で区切らず、市町村や都道府県ごとに決める。支援策に応じて柔軟に対象地域を指定する狙い。自主避難者の健康調査の対象地域を福島県外にも拡充するなど健康不安の解消を急ぐ。


  1. 2013/08/29(木) 22:32:54|
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堺市から電話がありました(堺市への請願 その③)

【堺市から電話がありました(堺市への請願 その③)】

 今日(8/23)、堺市危機管理室から電話で、避難者への新たな支援策として次のことをHPに公表した、という連絡がありました。その内容は、

①堺市に避難登録した人に、避難者への健康診査(たぶん「特定健診」=メタボ検査を中心とした健康診断)と、がん検診を行う。

②保育所への優先入所について、H25年度は保育所に空きができたら、H26年度は4月から優先入所をはかる

 これ以外は?と訊くと、検討中のものもある、という答でした。

 がん検診(これに加えて骨粗鬆症、成人歯科、肝炎ウイルス検査)が入ったことは一歩の前進です。内容は大阪市と同じ。料金無料も大阪市に揃えました。放射能健診や保養の助成などは、これからの運動次第、というところです。

 詳しい支援の内容は、堺市のHPを見るか、危機管理室に電話で聞いてください。

 電話: 072-228-7605。

 HP:
http://www.city.sakai.lg.jp/shisei/koho/hodo/hodoteikyoshiryo/0822_01.files/0822_01.pdf

 以下、この1ヶ月の報告

【8月7日】堺市の避難者向け健康診断のこと。
 堺市が「大規模災害被災地等支援基金」を設立し、避難者への支援もおこなうことを表明しています。その中で健康診断について危機管理室に電話して質問したところ、「特定健診の年齢制限を外して実施する」旨の説明がありました。

 少しは前進、と喜んだのですが、実際に「特定健診」を調べてみると,これはいわゆるメタボ健診とほぼ同じ意味でした。身長、体重、胴回りの測定と、血液検査/尿検査で、このうち尿検査は腎機能の検査。血液検査は血糖値、コレステロール、中性脂肪、肝機能などです。赤血球と白血球の数も調べますが、これは「貧血検査」の一環です。(堺市民の場合、自己負担額は500円)
 
 もちろん健康診断の意味は大きいです。でも子どものメタボ健診が避難者の要求に即した支援になるのでしょうか?また成人の避難者にもがん検診(大腸がん、胃がん、肺がん,乳がん、子宮がん)を実施できないのでしょうか?

 大阪市は2011年度より避難者にがん検診を無料で実施しています。今年度もやっています。(年齢制限はあります。)


【8月13日 電話しました】
 再度、堺市の危機管理室に電話して、7月の要請に対する回答の進み具合を尋ねました。「とても多くの要請が来ている。それぞれについて担当部局にまわしている。」「放射能健診は健康部局では、本来国が行うべきもので、自治体が行うことに市民の納得が得られにくい」という返事でした。

 「本来国がやるべきこと」というのはその通りでしょうが、これは放射能健診の意味を堺市もはっきり判っていることの表明です。裏を返せば、国が拒否することを自治体が勝手にできない(やりたくない)、です。
「市民の納得」を持ち出したのは、署名運動がたいへんに重要ということです。

 いずれにしても予想のとおりの返事ですから、これからが本格的な運動です。市役所への申し入れや署名運動で押し上げていきます。8月15日には再度危機管理室に行きます(15:30)。


【8月15日 2回目の請願】
 堺市の危機管理室と話し合いをもちました。8人で約40分。7月に提出した要請書の要求に沿って質疑をしました。主な質疑内容は・・・・・・・・・・、

(危)→ 8月20日に「全庁会議」があり、そこでニーズ調査をもとに審議する。8月25日には避難者と交流会を開催する。

・健康診断ですが、特定健診=メタボ健診をやるのはもちろん良いことだが、避難者の要求とは少し乖離がある。特に子どもの甲状腺検診など検討してほしい。また大阪市は避難者のがん検診もやっている。堺市でもできるはず。
(危)→ 甲状腺検診は国に意見を上げる(今のところ、やらないと言うこと)。茨城や千葉でもやっている所がある。健康医療推進課に伝える。

・保育と雇用の支援は?
(危)→ 保育所入所の優先枠は検討中。保育料の減免は難しい。雇用について、希望者に堺市内の企業の求人情報(かなり分厚いらしい)を送る。

・市営住宅の受けつけ再開は?「堺市の住宅に入りたい」と言う声も実際に聞いている。
(危)→ この要求はいろいろ来ている。しかし福島県から「もう良いです」という連絡で昨年末に打ち切ったばかりなので・・・・。

・しかし要求は大きい。
(危)→ 担当部局(住宅管理課)に伝える。

・ 交通費の支援などは検討されていますか?
(危)→ 被災地を往復する交通費の援助は難しいが、「帰省バス」など他の方法を考える。

・20日の全庁会議では堺市内の避難者への支援を議論するのだろうが、堺市の外の避難者への支援も検討してほしい。
(危)→ 市外の避難者への支援のことはまだ検討していないが、例えば「帰省バス」では、大阪市がボランティアバスに市外からも乗せたことなどを参考にする。

  1. 2013/08/23(金) 22:35:00|
  2. 申し入れ報告
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